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Intel Processor N100 について
N100は2023年に発売されたIntelのCPUです。価格は最安クラスなのにも関わらず、想像以上にストレスなく使えるということで話題になっています。(発売からしばらく経ったため、話題になっていました、の方が適切かも)
IntelのメジャーなCPUと言えば、長らく以下のラインナップのイメージでした。コメントは独断と偏見です。
- Celeron: 一応パソコンの形をしたもの、に搭載されている。そういった端末は1年くらいしたら使いものにならなくなる (主にHDDのせいだが) 。
- Core i3: 軽い処理なら普通に動いて最低限使える。できるだけ安いものが欲しい人はCeleronを買うし、ある程度ちゃんとしたものがほしい人はCore i5以上を買いそう。
- Core i5: とても標準。
- Core i7: 優等生。ほぼすべてのユースケースで快適に過ごせる。お値段は少々張る。
- Core i9: ロマン。排熱と真剣に向き合う必要もあり、普通の人には不要。
N100はCeleronくらいの安さでありながら、数世代前のCore i5と同等程度の快適さで使えるらしいです。数世代前と比べるのもどうなんだというのはありつつ、これはすごい。
最近のIntelのCPUにはPコアとEコアという2種類のコアが搭載されていることが多いです。
- Pコア: Performance-cores. 高性能なコア。負荷が高いタスクを処理するのに向いている
- Eコア: Efficient-cores. 省電力なコア。負荷が低いタスクを電力効率よく処理するのに向いている
例えば、第14世代のCore i7 14700は20コアですが、そのうち8個がPコア、12個がEコアという構成になっています。
Eコアは省電力と言いつつ、それなりにちゃんとしたパフォーマンスが出るらしく、N100はこのEコアのみを4つ搭載したCPUです。
2025年にはN150という後継CPUも発売されました。こちらもN100同様コスパに優れていますが、期待値が高すぎたのか、N100と比べてめちゃくちゃ進化したとは言えないという声が多い印象です。
N100ミニPC
N100を搭載したミニPCがなんと2, 3万円くらいで販売されています。例えば以下。
20〜30cmくらいの小さい筐体に16 GBのメモリ、512 GBのSSD、使えるCPUが載ったPCがこの値段。中国メーカーのものが多いです。もちろんディスプレイやマウスなどはありませんが、この類の商品を買う人は周辺機器はすでに持っていると思うので問題ないのではないでしょうか。
注意点として、Windowsのライセンスが適正なものではない場合もあるようです。自分が買ったものも、本来は法人向けに提供されているボリュームライセンスでした。普通に安いWindowsがほしいという人は気をつけてください。今回はWindowsに用がなくLinuxに入れ替えてしまったので個人的には問題がありませんでしたが。
後継CPUのN150が搭載されたミニPCもあります。前述の通り性能が大きく改善しているわけではないですが、値段も同じくらいなのでこれから買うならN150のマシンを買った方がいいと思います。
この記事でN100ミニPCを使っている理由は、N150が発売されるより前にN100ミニPCを買っていたからです。
N100ミニPCにAlmaLinuxをインストール
N100ミニPCにAlmaLinuxをインストールしました。
AlmaLinux
AlmaLinuxはRed Hat系のLinux distributionです。
AlmaLinux OS - Forever-Free Enterprise-Grade Operating System
Red Hat系の代表格はRed Hat Enterprise Linux (RHEL) で、Red Hat社が有償で提供しているOSです。AlmaLinuxはRHELと互換性があり、無償で使うことができます。
Red Hat系と言えば、2020年のCentOS事件を覚えている方も多いのではないでしょうか。CentOSもRed Hat系です。RHELからそのまま公開すると権利関係の問題があるものを取り除いて無償提供されていたことから、商用サーバーとして世界中で広く使われていました。
ある日、Red Hat社からアナウンスがあり、CentOSの位置付けが変わります。CentOSはRHELのアップストリームという位置付けになりました。つまり、CentOSで実験的な機能が検証されたのちに、RHELに導入されることになりました。それまでは有償のRHELに導入済みの機能がCentOSに導入されていくという流れだったものが逆転し、CentOSが以前より不安定になりました。
また、その当時最新だったCentOS 8のサポート期限が突然2029年5月31日から2021年12月31日に変更されました。ひとつ前のCentOS7の期限が2024年6月30日だったので、それより早い日付になりました。びっくり。
そんな流れの結果、CentOSの代替として2025年現在有力なのがRocky LinuxとAlmaLinuxです。CentOSほど広く普及しているイメージはありませんが。Rocky Linuxはバグまで含めたRHEL互換を、AlmaLinuxはRHELで動くプログラムがすべて問題なく動くという互換性を謳っているそうです。
USBメモリにAlmaLinuxのISOイメージを書き込む
ISOイメージは以下のリンクからダウンロードできます。DVD用と書いてあるものがUSBメモリでも使えます。
https://almalinux.org/ja/get-almalinux/
ダウンロードしたファイルをUSBメモリに書き込みます。自分は以下のInstallation Guideにしたがって、Fedora Media Writerというツールを使いました。USBメモリを挿してFedora Media Writerを起動したあとは画面の指示の通りにぽちぽちするだけだったので簡単でした。
AlmaLinux Installation Guide | AlmaLinux Wiki
BIOS (UEFI) の設定を変更する
USBメモリに書き込みが完了したら、BIOS (もしくはUEFI) からAlmaLinuxを起動します。BIOSは起動時に特定のキーを押すと起動できます。マザーボード等のメーカーによって異なっていて、F2, Delete, F1, F10などのパターンがあります。
BIOSを起動したら以下の対応をしておく必要があります。
- Secure bootをdisableにする
- Boot priority (order) を変更し、USBメディアが優先的に使われるようにする
SaveしてBIOSを閉じたらUSBからAlmaLinuxを起動できます。
もろもろの初期設定ができたら完了!